結論:アフレコとは「映像に後から声を録音する作業」
- 「アフター(after)」=後で
- 「レコーディング(recording)」=録音
- 略して「アフレコ」=後から録音する
和製英語なので海外では通じにくい
「アフレコ」は日本で生まれた略語です。英語圏では「ADR(Automated Dialogue Replacement)」や「dubbing(吹き替え)」「voice-over(ナレーション)」と呼ばれ、そのまま「Afureco」と言っても伝わりません。海外のスタッフとやり取りする際は注意しましょう。
仕組みをもう少し詳しく:映像と音声を分けて作る理由

- 映像を完成(または仮編集)させる
- 出演者・声優が映像を見ながらセリフのタイミングを確認する
- マイクの前で映像に合わせて発声・録音する
- 録った音声を映像に重ねて微調整(同期)する
- BGMや効果音とミックスして完成させる
「同録(どうろく)」との対比で理解する
撮影と同時に音声も録ることを「同録(同時録音)」と言います。アフレコは同録と正反対で、撮影後に音だけを足す方式です。ドキュメンタリーは同録中心、アニメはアフレコ中心、と作品ジャンルによって使い分けられています。
なぜ重要なのか・アフレコが使われ続ける背景
映像と音を分離して制作する手法は、放送・映画の品質基準を支える基本技術として長く使われてきました。デジタル化によって編集の自由度が高まり、個人レベルでも高品質な音声後付けが可能になっています。
アフレコの種類・分類を整理する
| 種類 | 内容 | 主な使われ方 |
|---|---|---|
| アニメアフレコ | キャラクターの口パクに声を当てる | テレビアニメ・劇場アニメ |
| 実写アフレコ(ADR) | 撮影後にセリフを録り直す | 映画・ドラマの音声修正 |
| ナレーションアフレコ | 映像に解説・語りを重ねる | CM・ドキュメンタリー・YouTube |
| 吹き替え(ダビング) | 外国語作品に自国語の声を当てる | 海外映画・ドラマの日本語版 |
| ゲームボイス収録 | キャラのセリフを場面に合わせ録音 | 家庭用・スマホゲーム |
「吹き替え」もアフレコの一種
海外映画の日本語版を作る吹き替え(ダビング)も、外国語の映像に後から日本語音声を当てるアフレコの仲間です。ただし、元の俳優の口の動きに日本語を合わせる必要があるため、セリフの長さ調整(尺合わせ)という独特の難しさがあります。
メリットを詳しく:なぜアフレコが選ばれるのか
| 比較項目 | アフレコ(後録り) | 同録(同時録音) |
|---|---|---|
| 音質 | 高い(雑音なし) | 現場依存(雑音あり) |
| 演技集中度 | 高い | 動きと両立が必要 |
| 修正のしやすさ | 容易 | 撮り直しが必要 |
| リアルさ・臨場感 | やや作り物感 | 高い |
| コスト・手間 | スタジオ費が別途 | 追加収録不要 |
デメリット・注意点:アフレコの落とし穴
素人が陥りやすい「ズレ地獄」
自分でアフレコをすると、最初は必ずと言っていいほど音声と映像がズレます。1フレーム(約0.03秒)単位での微調整が必要になり、慣れないうちは何度もやり直すことになります。編集ソフトの波形表示を活用し、口の動きの開始点に声の出だしを合わせるのがコツです。
YMVA的な注意:商用利用での音源・著作権
ナレーションにBGMや効果音を重ねる際、フリー素材であっても利用規約の確認は必須です。商用利用不可の音源を収益化動画に使うと、著作権侵害になる恐れがあります。必ず利用条件を確認し、不安なら権利者に許諾を取りましょう。
具体例・ケースで理解するアフレコ
ゲームのボイス収録は少し特殊
ゲームのアフレコでは、映像がまだない状態で「このセリフは戦闘中」「これは会話イベント」といった状況説明だけを頼りに録ることがあります。映像なしで感情を込める難しさがあり、声優の想像力が試される現場です。
始め方・使い方:自分でアフレコをやってみよう
アフレコの始め方5ステップ
- 映像を用意する — スマホで撮った動画や、編集済みの映像クリップを準備します。まずは10〜30秒程度の短い素材がおすすめです。
- 台本(原稿)を作る — 映像に合わせて話す内容を、紙やメモアプリに書き出します。秒数の目安も書いておくとスムーズです。
- 静かな環境を整える — エアコンや換気扇を止め、なるべく反響の少ない部屋を選びます。布団やカーテンの近くは音が吸収されて録りやすいです。
- 映像を見ながら録音する — 編集アプリの「アフレコ」「ナレーション」機能を使い、映像を再生しながらマイクに向かって話します。
- タイミングを微調整する — 録った音声を映像とずらして合わせ、口の動きや場面転換にぴったり重ねます。
きれいに録るためのコツ
- マイクと口の距離は一定に保つ(15〜20cmが目安)。近づきすぎると「ボフッ」という破裂音が入ります。
- 口元にティッシュや簡易ポップガードを置くと、破裂音を抑えられます。
- 一度に長く話さず、短く区切って録ると、失敗した部分だけ録り直せます。
- 録音後は必ず映像と一緒に再生確認し、ズレや言い間違いをチェックします。
よくある初心者の失敗
・部屋の反響を無視して録り、声が響いて聞き取りづらくなる。
・音量が小さすぎて、BGMに負けてしまう。
・映像を見ずに録り、タイミングが全然合わない。
これらは事前の環境チェックと、映像を見ながらの録音で防げます。
似た用語との違い:アテレコ・吹き替え・プレスコとの比較
| 用語 | 意味 | 映像と音声の順番 | 主な使い道 |
|---|---|---|---|
| アフレコ | 映像に後から声を録音 | 映像が先 | アニメ・ナレーション全般 |
| アテレコ | 映像のキャラ・人物に声を当てる | 映像が先 | 吹き替え・アニメ |
| 吹き替え | 外国語作品に自国語の声を当てる | 映像が先 | 海外映画・ドラマ |
| プレスコ | 先に声を録り、後で映像を作る | 音声が先 | 海外アニメ・ミュージカル |
なぜ日本はアフレコ中心なのか
日本のアニメは、制作スケジュールと予算の都合から、絵を先に作るアフレコが定着しました。一方、ディズニーなど海外アニメはプレスコが主流で、声優の演技に合わせて表情豊かに作画されます。この制作思想の違いが、日本と海外のアニメ表現の違いにもつながっています。




