まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- その作品の原作はどれか(クレジットからの判別)
- 「漫画とアニメが違う」とき、比べている2つは親子か兄弟か
- 原作者と作画担当が別のとき、絵の利用に誰の了解が関わるか
結論:「原作」は関係、「漫画」は形式
| 例 | 原作(元) | 派生 |
|---|---|---|
| 漫画をアニメ化 | 漫画 | アニメ |
| 小説を漫画化(コミカライズ) | 小説 | 漫画 |
| 漫画のために書かれた原作を、作画担当が描く | 原作者の原稿・シナリオ | 漫画 |
| 企画が先にあり、漫画とアニメを同時に展開 | 企画(クレジット上は企業名・プロジェクト名のことも) | 漫画・アニメなど |
この作品の原作はどれ?4つの質問で判別

- 表紙・奥付の名前は1人か、複数か
- 1人だけで「原作」表記がない → 漫画家がお話も絵も手がけた作品と考えられます。その場合は、その漫画自体が原作です
- 複数 → 2へ
- 「原作」欄の人は、別の作品の作者か
- 小説・Web小説・ゲームなどの作者 → コミカライズの可能性が高く、元は別の媒体の作品です
- 企業名・プロジェクト名 → メディアミックス企画ものの可能性があります
- 漫画のために原作を書いた人 → 原作付き漫画です
- 絵の担当は「漫画」表記か「作画」表記か
- ネーム(コマ割り)をどちらが作ったかの手がかりになることがあります。ただし、使い分けは出版社や作品によって異なります。共通の公式ルールは、今回の調査では確認できませんでした
- 映像化作品の「原作」欄は何を指しているか
- 漫画の題名 → 漫画が元です
- 小説の題名 → 漫画版があっても、映像の元は小説です
- 「原案」表記 → 「原作」とは別の表記を選んでいます。元の作品どおりの展開とは限らない前提で見ます
注意
4番を飛ばすと、次の章で説明する「兄弟同士の比較」に気づけません。
漫画とアニメが違うとき:比べている2つは親子か兄弟か
| 関係 | 例 | 違いが出たときの読み方 |
|---|---|---|
| 親子 | 漫画 → アニメ | アニメ側が漫画から変えた部分です。理由は作品ごとに異なり、外からは公式の説明がない限り分かりません |
| 兄弟 | 小説 → 漫画、小説 → アニメ | 漫画もアニメも小説の派生です。互いに違っていても、どちらかが相手を変えたとは限りません |
| 企画の同時展開 | 企画 → 漫画・アニメ・ゲーム | 媒体ごとに別の話として作られている場合があります |
原作・原案・作画・漫画の表記で分かること・分からないこと
| 表記 | 表記から推測できる担当の目安(作品により異なる) | 表記だけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 原作 | 設定・ストーリー・セリフ | どの形で渡したか(キャンディ・キャンディ事件では小説形式の原稿)。漫画がどこまで原作に沿ったか |
| 原案 | 設定やアイデアの提供 | 物語のどこまでが原案者の発想か |
| 漫画 | ネームから絵まで | 原作の何をどう組み替えたか |
| 作画 | 絵 | ネームを誰が担当したか |
| 構成 | 原作を漫画用に組み直す | 担当範囲は作品ごとに異なる |
| キャラクター原案 | キャラクターのデザイン | 漫画版のデザインをどこまで引き継いだか |
原作者の権利は絵にも及ぶ?表記より制作の手順を見る
| 判旨で示された事実・判断 | 内容 |
|---|---|
| 原作の渡し方 | 原作者は、各回のストーリーを400字詰め原稿用紙30〜50枚程度の小説形式の原稿にした |
| 漫画の作り方 | 漫画家は、漫画化に使えない部分を除き、おおむねその原稿に依拠して描いた |
| 結論1 | 連載漫画は、原作の二次的著作物と認められた |
| 結論2 | 漫画家が主人公を描いた原画を合意なく作成・複製・配布することについて、原作者は差止めを求められるとされた |
注意
この判例は、小説形式の原稿におおむね沿って描いたという、1つの事件の事実にもとづく判断です。脚本形式やネーム形式で原作を渡した場合に、同じ結論になるとは限りません。上記の判例研究も、原画にまで差止めを認めた点には批判的な見方を示しています。また文化庁テキストは、各人の寄与を分けて利用できない作品を「共同著作物」として別に扱っています。実際の権利は契約にも左右されます。商用で使う場合は、出版社などの権利窓口に確認してください。
映像化と原作者の合意:2024年以降の動き
- 漫画や小説を映像化する際は、原作を尊重する
- 原作者と対面やオンラインで直接話すなどして、相互理解を深める
- 原則として放送の1年前までに、原作側と制作側でドラマ化の企画について基本合意できるよう努める
- 「相談書」を提案し、原作許諾契約書と脚本契約書を早めに結ぶ
やってはいけない判断
| 避けたい判断 | 理由 | 代わりに確認すること |
|---|---|---|
| 漫画とアニメの違いを、すぐ「漫画からの改変」とみなす | 両方が小説の派生(兄弟)のことがある | 映像のエンドクレジットの原作欄 |
| 「作画」表記だから、絵の権利は作画担当だけにあると考える | 原作者の権利が原画に及ぶとされた最高裁判決がある(条件は前の章を参照) | 契約や制作の手順。商用なら権利窓口 |
| 作画担当だけの了解で、絵をグッズや配信に使う | 漫画が二次的著作物にあたる場合、第三者の利用には原作者の了解も必要と文化庁テキストが説明している | 出版社などを通じて、必要な了解の範囲を確かめる |
| 「原案」作品に原作どおりの展開を求める | 「原作」ではなく「原案」という別の表記が選ばれている | クレジットが「原作」か「原案」か、公式の説明 |
| 原作者・制作者・出演者のSNSに攻撃的な投稿をする | 当事者を傷つけるおそれがある | 公式発表を待ち、意見は落ち着いた言葉で伝える |




